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第90回公演『ノスタルジック・エスケープ』にご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。
現実側のアオヤマ役もとい脚本・演出担当のあおです。 今回の記事タイトルは森博嗣先生の小説群<S&Mシリーズ>第八作目『今はもうない』からの引用です。とってもぴったりな蛇足をもって、今回の公演に終止符を打つことにしようかな、と思います。 今回の作品は、大体今まで私が読んできた、好きなミステリ小説から成り立っています。そういったところから持ってきたりしていて、けれど元ネタになるようなものは欠片もなく、本当に引っ張ってきただけ、というものがほとんどです。パスティーシュにもなっていない、パロディ未満の要素が詰め込まれていたりもします。──愛情と尊敬は忘れてはいないつもりです。そういう意味での『虚無への供物』っぽさだったりするのですが、それはそれとして。 個人的には作品について作品外で語るのはあまり好きではないのですが、今回は長めに喋ってしまいたいと思います。野暮を承知で、分かった上で。そういう意味での蛇足を書きます。まったく、余分なエピローグもあったものです。 ……と、考えていたんですが、自分の中でまとめてみて、ちょっとすっきりしてしまいました。やっぱり表に出してみると満足するというか、消化ならぬ昇華されてしまう傾向があるようです。 というわけで、特に書くことはないです。 加えて何よりの理由として、思考の海に沈んでしまってトリミングできそうもないものが多いので諦めます。思い出しながら書く方が難しいと、折木くんも言ってましたし。考えたことを自動的に記録してくれるような自動書記がないものでしょうかといつも考えています。 今回の登場人物の元ネタです。のようなものです。嘘かもしれません。気になったら、ミステリも読んでみてほしい。合う合わないはともかく、素敵な文章だってある。ミステリは文学だよ。れっきとした、ね。 犀川(森博嗣『すべてがFになる』他より犀川創平) 江神(有栖川有栖『月光ゲーム Yの悲劇'88』他より江神二郎) 法水(小栗虫太郎『黒死館殺人事件』より法水麟太郎) 上木(早坂吝『○○○○○○○○殺人事件』他より上木らいち) 葉村(若竹七海『悪いうさぎ』他より葉村晶) 桐島(喜多喜久『桐島教授の研究報告書 - テロメアと吸血鬼の謎』より桐島統子) 浅倉(松岡圭祐『特等添乗員αの難事件』より浅倉絢奈) 岩永(城平京『虚構推理』より岩永琴子) アオヤマ(岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿』より) 劇中人物は小説ではなく、京都にある神社から名前をとりましたが、ナツキちゃんの名前は特に元ネタはないです。まったく、自己満足もいいところですね。とても楽しかったです。 自分が好きなものが少ないというのはやっぱり切ないので、自分で作ることにしました。けれども当然ながら難しいものです。それなりに苦しんだので、良いものに仕上がっていればいい──と思います。 今回は、演出の都合上、もはや恒例となっておりましたキャスト紹介はありません。 想定外に長くなってしまいました。 それでは最後に。 ご来場いただいた皆様に、すべからく格別の感謝を。 参加してくれた団員に、つつましくも特別の感謝を。 お付き合い頂いて、本当にありがとうございました。
by kazemachi0903
| 2016-12-19 18:00
| #90(2016年12月公演)
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